ピノ・ノワール

地元で小学生サッカーのコーチしてます!Tottenham hotspurファン。Twitterもよろしくー。

”戦え!”、え?戦うって何?~抽象的な声掛けについて~

 

声掛けについて

 ひとつ前の記事で声掛けについて書いたので追加で書きます。声掛けに関して普段から思っていることあります。これを言ってしまうと、他のコーチ陣にかなり喧嘩を売ってしまいますが、若手の2人のコーチにしかこの存在を教えていないので大丈夫と信じております(笑)。

 私は、コーチ3年目ですが一番嫌っている言葉が「戦え!」という言葉です。うーん。いや、わからんでしょ。というのが率直な感想で、抽象的すぎて行動に移すことが難しいです。この指導の弊害が、荒いプレーでアフターチャージなどの、ファウルを奨励するかのようなプレーで、わがチームでは連発しております。そりゃあそうだろうと思うのですが、大の大人に鬼気迫る顔で怒鳴るように「戦え!」なんて言われたらどんなことしてでも止めろ!って言われているのと同じだと考えても不思議じゃないです。

具体的にはどうなのか

 たとえば、”戦う”という言葉ですがサッカーにおいて戦うというのは守備でも攻撃でもありますが冷静に分析すれば、”コーチからみて”という前提条件がある気持ちを見せるプレーということだと思います(そうじゃなかったらわかりません、もうお手上げです)。これは、コーチからみてという時点で選手の理解のハードルが高まると思います。

 例えば守備の場合、体を張ったプレーというのがありますが、これは戦うプレーの一つだといわれています。が、体を張るというプレーが複数あるので、どれのことを指すか全くわかりません。体をぶつけてボールを相手から奪い取るのもあれば、体を投げ出してシュートブロックをするのか、はたまたスライディングだけのことをいうのか。これでは、選手は何を指導されているのかわかりません。正直言って、「がんばれ!」と声をかけて、選手がうまくなると思っているレベルの話だと思っています。

 そもそも、守備において重要なことは何か。育成段階において何が大事かといわれると1つや2つではなくそれこそ膨大で伝えきれないでしょう。ポジショニング、体の向き、マークの付き方、マークの距離感、連動した守備の声掛け、ディレイするのかボール奪取するかの判断やそのやり方などがあると思いますが、それを教えるのが指導であって、”戦え!”って私が選手でも何言ってんだこいつって思いますよ。

メンタルは瞬間じゃなくて継続性が大事

 百歩譲って”戦え!”というのは、おそらくメンタルの指導であると考えているのだと思います。ただ、メンタルというのは瞬間でコーチの言葉を聞いて急に伸びるものでもないです。私は細かいことを継続することがメンタルの強さだと思っていて、守備に関しても攻撃に関しても常に周りの状況を判断し、細かいことからすべて実行に移していくことはかなり難しいものです。それを支えあうために、選手間で声を掛け合うことが重要であるので、なによりメンタルというのはコミュニケーションによって生まれるものだと考えます。なので、声を常に出したり選手間のコミュニケーションが深いチームは個々が判断できそれを実行できるので強く、総崩れしない事が多いように思います。

コーチの言葉の重み

 長々と書きましたが、つまるところコーチの言葉は抽象的であればあるほど選手は戸惑い、意図しない理解を得てしまいます。そもそも抽象という言葉はその事象を抽出するということなので、その事象がそもそも何かを連想できない事が多い小学生年代に使う場合は注意したいものです。