ピノ・ノワール

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サッカーの型について

型について

サッカーにおける型というと、フォーメーションがまず挙げられると思います。過去の記事でも5レーンなどで考えましたが(だいぶ更新が久しぶりなのはスルー笑)、ここでは攻撃時にパターンとしてチームが持っている動き方について話そうと思います。例えば、左サイドハーフの選手がボールを持った時は右サイドの選手は中に入るか逆サイドで張ったままにするかなどです。

型はそもそも教える必要がある?

型はそもそも必要かどうかと言われると、私はある程度は必要だと思います。型やパターンといえば、創造性が失われる!と私も最近まで思っていましたし、尊敬するコーチにも対策をとられると手も足も出なくなるから教えないなどの意見もあります。

ただ、型やパターンを持たないチームに創造性があるかと言われると私はそれは違うと断言は します。なぜなら無秩序と創造性は異なり、創造とはベースがあって初めてできることです。大切なことは型を教えることに意味をつけることだと思います。

型の例

例えば、フォワードの選手が中盤までボールを受けたときに、フォワードの選手がいたスペースに中盤の選手が走り込む型を教えるとします。ここで、フォワードが受けたら必ずそのスペースに走りこめ!だけでは、一時的には上手く行くでしょうが対策されるとこの手は通用しないでしょう。

フォワード(青11)が中盤まで下がってもらうことで何が起きるかというと、相手のセンターバック(赤3)が上がってきます。それと同時にもう片方のセンターバック(赤4)は赤3が青11にドリブルで抜かれた場合を考えて赤3の後ろをカバーします(写真2枚目の①と②のスペース)。

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①初期状態

 

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フォワードが下がってきたとき

 

フォワード(青11)、連動して青9と青10が赤のマークを外し前に上がれれば3:2の数的優位が作れることになります。

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フォワードにボールが渡ったとき

 

ここで重要なことは選択肢があるということです。青の11は数的優位なので、ドリブルもパスもシュートも選べます。また、青11が作った裏のスペース(画像2の①②)に青9,10が走りこめばキーパーと一対一のビックチャンスになります。

青11が中盤まで降りてきてチャンスになるのは偶然ではなく、このような意図があって初めてチャンスになります。

青11の選手がよりクレバーであれば、少しだけサイドに流れることで逆サイドを広くしたり、遅く降りることで、相手のセンターバックを引きつけるなどこの意図がわかっていれば、型通りにプレーするだけでなく、型破りなプレーでよりチャンスが作れることでしょう。また、この意図を他の選手と共有できていることも重要だと考えます。

リバプールのフィルミーノ選手などはこのような周りを生かすプレーが上手いと言われています。サラーとマネがその意図を理解しているのが前提にありますが…。

 

型破りな…

型破りという言葉が出ましたが、型を教える意味はこれに尽きるかもしれません。サッカーは進化し続けていて、相手の戦略を打ち消すために型破りなことをします。ただ、その型を理解していなければそもそも相手の意図もわかりません。型を教えることは相手や味方の意図を理解し、サッカーのベースを掴むことにつながります。

有効な型があるなら、有効な理由がそこにはあり、必ず穴があります。その理由や穴を教えたり、考えさせることこそに型を教える理由があると私は考えています。